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おーとまてぃっく☆シスターズ

ロックマンXのエックス受け中心ブログです。エックスが可愛くて可愛くてしょうがなくてこんなことにwwあまりの可愛さに、エックス=ぴめと呼ばれています。 お相手はゼロ様はもちろん、ダイナモやゲイトやVAVAさんや、もうごった煮状態w 撫子→音速のネタ出し隊長、光速の物忘れ将軍。 ミム→闇の世界で暗躍する外付けハードディスク。

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こちらは中編。
内容としては、ぴめのお相手たちとの会話となってます。VAVAさんが微妙に可愛いです。

前→前編
次→後編

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 というわけで、会議室には、今度はわいわいと活気が満ちていた。
「第6部隊の分の笹こっち?」
「手が空いてる人は飾りつけして~。」
「ペン足りないから持ってきて!」
 さながら、童心に戻ってお遊戯でもしているようだ。彼らはレプリロイドなのでそのような経験はないだろうが、その分ハートはピュアで、このお祭りを楽しんでいることが伝わってくる。
 そんな中で、部屋の隅でぶつぶつとこぼす人物がいた。
「まったく…エックスの意見じゃなかったら、誰がこんなこと…」
 ゲイトである。彼はまだ往生際悪く、この「非科学的」な催しに対して文句を言っていた。
「大体、文字をアナログに手書きするなんて何なの?一体。それに、紙もインクももったいない。あと、この時間も。」
 そんなことを言いながら、彼は受け取った短冊にペンで何やらしたためている。しかし、自分が言った通りに文字を手書きするのは慣れていないのだろう。文字の形は解るが書き順などはめちゃくちゃになっている。
 そこに、皆の様子を見まわっていた天使が話しかけた。
「ゲイト、あの…もしかして俺、悪いこと言っちゃった?したいって言わない方がよかった?」
「エックス。…あのね、もう君の意見はこうして動きだしてるんだから。だから、もしかして、なんて意味ないよ。」
「う・・・ごめん・・・」
 振り向きもしない冷たい言葉に、愛らしいかんばせがしゅんとなる。そのことに気づいたゲイトは手を止めて、今度は彼に向き直って言葉をかけた。
「…別に、僕は君を責めたいわけじゃない。その、なんていうか…」
「ゲイト、そんなノリの悪いこと言いなや~?ホントはアンタかて楽しんでんやろ?」
 そのまま放っておかれたら沈んでしまいそうだった空気。それを明るく救ってくれる人物が現れた。この喋り方はもちろん、ダイナモである。
「本当?ゲイト、本当は楽しいって思ってくれてる?」
「っ!!!だ、誰が!!…いや、でもエックスに誤解しないで欲しいし…」
「素直になりなや?いっつもツンデレ女王様しとらんでもええやん♪」
「う、うるさい!君に何が解るっていうんだ!」
 にやにや笑いながらかけられた言葉に、氷の美貌がほんのり紅に染まったような…
「…書けた!これをあの笹に飾れば、他には僕がしなきゃならないことはないんだろ?!まったく…やってられないよ!」
 その彩を隠すように、ゲイトは乱暴に短冊を掴み立ち上がると、研究チームにあてがわれた笹に向かおうとする。その背中に、また幾分面白がるような一言。
「そういえばな、短冊って、笹のてっぺんに近い方に飾った方が、お願い事叶いやすいって言うで~。」
「あっそ。そんな根拠のない…しかし、頂上に飾るというのはこの僕に相応しい。
 ―――ハイマックス!」
「はい、ゲイト様。」
 ダイナモの言葉に、また可愛くない批評をするゲイト。しかし彼は、体格に恵まれた彼の従者を呼ぶと、こう命令した。
「僕を肩に乗せろ。あの笹の一番高いところにこれを飾るんだ。」
「承知しました。」
 大柄で、でも素朴で優しい従者は、言われた通りに主を肩に乗せる。その表情はどことなく幸せそうで、優しい…
 それを見守っていたエックスが、ほっとした吐息をついた。
「よかった。本当はゲイト、楽しんでるんだね。」
「そ。あーゆー奴はホンマに可愛くないから、ちっとからかってやった方がうまくいくっちゅーモンやで。」
「そうなの?くすくす。」
 経験豊富なダイナモの言うことに、無邪気な彼の天使があどけなく笑う。彼にとってはじめての天使…その笑顔に、密かに見とれていた―――そんなところに。
「ね、ダイナモが持ってる飾り、すごいね。きれいに輪っかになってて、色づかいとかも…」
「・・・ああ、これ?」
 でも、やっぱり天使はそんなことに気づかずに無邪気に…やっぱり無邪気に、彼の持っていたお手製の飾りに興味を示してくる。本当は心の中でひとつ溜め息をついて―――ダイナモは、いつもの軽い表情で対応した。
「別にたいしたことやないで。これくらいこのダイナモ様にかかれば…って言いたいけど。実は、こういうのは初めてやないんや。」
「え?どういうこと?」
「流れの傭兵って俺は言ったけどな。要は何でも屋ってこと。やから、まぁ気が向けば子供相手にこんなお祭りごとのマネっこもしたりしたんやで。」
「へぇ~・・・」
 手渡してやると、エックスはきれいな輪飾りをしげしげと眺めている。そういえば昔こんな仕事を受けると、彼のように純粋な反応を示す子もいたっけ…
「けど、エックス…お前は、お前はどんな人間より、レプリロイドより、一番…」
「?」
 つい、口走りそうになる。そこに、飾り付けを担当していた隊員がダイナモを呼びに来た。
「ダイナモさん、さっき用意してくれた飾りが足りなくなりそうなんでお願いします!」
「あれ、そう?けっこう作ったのに…ま、ええわ。
 じゃ、エックス、悪いけどそれも返してや。また後でな!」
「あ、うん!」
 置いて行かれたエックスは、引き止めることもなく彼を見送った。けど…本当は、気づいている。
「ダイナモって時々、ああして何か言いかけるよね…でも、ダイナモって自分が納得しないと喋ってくれないから…聞いてもだめだよね、きっと。」
 意外と鋭い観察眼。この可愛い子は、こんなところがあるから、人を見抜く力がなければ全うできない、部隊長の任などをこなしているのだ…そんなことをうかがわせるような。
「じゃあ、俺も短冊をもらってこようかな。―――ねえ、俺にも短冊ちょうだい。」
「エックス隊長。」
 自分のことに戻ることにしたエックスが、自分の第17部隊の隊員に声をかける。しかしその隊員は、少々難しい顔をしてしまった。
「どうしたの?」
「あの…ウチの部隊の短冊、あの人が持っていっちゃって…」
「あの人?」
 隊員が指さした先には。
「VAVA!」
 色とりどりの短冊に埋もれながら、せっせとそれらに何事か書きつけているVAVAがいた。その顔はとてもとても真剣…ある意味鬼気迫るものがあった。彼は筆圧が強いらしく、ペンと机が立てるガリガリという音まで響いてくる。
「すみません…なんか、無言でじっと見つめられて…断れなくて…」
「ううん、いいよ。じゃあ、彼からもらえないか話してくる。」
 普通の隊員…隊員に限らず、一般人であれば、「あの」VAVAと話をしてくるなんて思いもしないだろう。これもこの不思議な子の持ち味のひとつであり、彼は普通皆が避けて通りたいであろう「VAVAと会話をする」という道をためらわずに選ぶのだった。
「VAVA、たくさん書いてるね。お願い事、そんなにいっぱいあったの?」
「・・・!」
 背後からVAVAに近づいたエックスはそう話しかける。それに、普段ならそのセンサーを恐ろしく過敏にしているはずのVAVAが、一瞬飛び上がらんばかりの反応を見せた。
(あれ?何だかいつもと反応が違うなぁ)
「あの、俺まだ短冊におねがい書いてないんだ。短冊一枚でいいから、くれないかな?」
「・・・・・」
 恨みがましい瞳のVAVAは、その言葉に一枚短冊を取ると、乱暴にエックスに渡してきた。しかし、元来粗雑なその行動に、せっかくの短冊はぐしゃぐしゃになってしまっていて、とても字など書ける様子ではなくなってしまっていて。
 自分が欲しいと言った手前とりあえずそれを受け取ってから、エックスは更に話しかけた。
「そんなにいっぱい書きたかったおねがいって何?きっと、そのおねがいがすごく叶って欲しいんだね。」
「・・・黙れ。」
「ね、一枚でいいから、見せてくれない?俺、VAVAの考えてること、ちょっとでも知りたい。」
「・・・触るな!」
 並べられ裏返された短冊の一枚をめくろうとしたエックスの小さな手を、VAVAの大きな手がはたく。VAVAはエックスとは違い、素体でも力が強い。容赦のない一撃に、ちょっと赤くなった手を押さえながらエックスは彼を見る。けれど、少年はそこに、今まで見たことのない彼の表情を見つけることとなる。
「・・・お前には見せない!見せられ・・・ない・・・」
 基本的な無表情は変わらない。でも、その頬がまるでりんごのように赤く染まっている。大きな黒い瞳も、よくよく見やればその中の彩は動揺して揺れていて、明らかに、これは…
(照れてる…よね?)
「・・・あっちいけ。早く。」
 VAVAは、どうやらその内心を隠すことを知らないようだ。
(かわいい・・・)
 エックスはそう思ったが、それをからかうのも可哀想な気がしたので、その場を離れることにした。
「うん、わかった。VAVAのおねがい、叶うといいね。」
 にこやかに手を振り、彼の傍を離れる。そして、きょろきょろと辺りを見回した。
「でも、どうしよう…俺だけお願い事書けないの、寂しいなぁ…」
 VAVAには悪いが、このぐしゃぐしゃの紙には書けない。どこか短冊が余っているところはないか…そう思って探していた、その目の前に。
「エックス。これ。」
「ゼロ!」
 不意に、可愛らしいピンクの短冊が差し出された。差出人は、エックスが名前を呼んだ、ゼロである。
「どうせお前のことだから、他の奴を気にしてまだ書いていないだろうと思って。持ってきてやった。」
「ありがとう!っていうか…どうしてゼロは、いつも俺の行動が解るの?」
「解りやすい。…それに、他ならぬお前のことだぞ?この俺が解っていなくてどうするんだ。」
「!ゼロ・・・」
 何気ない、でもキュンとさせる、そんな言葉。このひとはいつもこうだ。こうやってなんでもないことで、自分をときめかせる。そんな彼だから・・・
「何を考えてる?」
「!!何でもないよ!それより、俺もお願い事を書かなきゃ。」
「くす。ほら、ペンもあるぜ。」
「うん!」
 渡されたペンで一生懸命に字を書くエックス。そんな彼を、黙ってゼロは見ていた。めったに浮かべることのない、柔らかな微笑と共に。
 あんまり少年の表情が真剣だから、ちょっと聞いてみたくなった。
「エックス。何を書いてるんだ?」
「えー、それはダメ。いくらゼロでも、ナイショ。」
「何?」
 …途端に微笑が消えうせ、いつもの不機嫌そうな顔になるゼロ。その変化を敏感に感じ取って、エックスが言う。
「くす、ゼロ誤解してる…っていうか、知らないんでしょ。」
「何をだ。」
「あのね…」
 不機嫌な彼と、いたずらな天使。
「短冊に書いたお願い事は、人に知られると叶わないんだって。―――特に、いちばんだいじなひとには言っちゃいけないんだよ。知らなかったでしょ。」
「…いちばん?」
「そう。だから…ね?」
「・・・・・」
 あまい沈黙。その中に通う、ぬくもりと想い。交差する視線が呼んでる、いちばんだいじなひと…
「エックス・・・」
 ゼロが手を挙げ、エックスの柔らかな頬を撫でようとしたその時。
「・・・は~~~いはいはいはいそこまで!イチャつくんはNGやでおふたりさ~~ん?!」
 徐々に詰まりつつあった二人の距離を裂くように、でかい声を出しながらダイナモが割って入った。
「い、いちゃついてなんかないよ!」
「ダイナモ、貴様ぁ!」
 真っ赤になるエックスと、掴みかかりそうになるゼロ。しかし、そこにしゃあしゃあとダイナモが言ってのける。そして、二人に示すように、周囲の光景を指した。
「何ゆーてん。こないに皆に注目されて、あんたらホンマに気づけへんの?」
「え?!」
 言われて初めて気づいた…今や室内の目はすべて二人に向けられている。応援する、期待する、そして泣いて悔しがる…様々な視線が、ゼロとエックスをとらえていた。
「や、やだ!俺たち、何もしてないよ!見ないで~!」
「エックス、ここは恥ずかしがらなくてもいいだろう。見せつけて…」
 しかし、クールだが独占欲の強いゼロ。彼にとってみれば、これは「エックスは俺の嫁」と宣言する場だと映ったらしい。調子に乗ったらしく、細い肩を抱こうとする。それに。
「・・・ゼロのバカー!!!」
 何故かゼロにはいつもクリーンヒットするビンタの音が、部屋に響いたのだった…


続き→後編
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HN:
撫子&ミム
性別:
非公開
職業:
腐女子
趣味:
妄想
自己紹介:
当時からのロックマンX燃えが萌えにまで高まってしまったかわいそうなお友達。最初はゼロ、ダイナモだけだったちゃんこの具が、ゲイトやVAVAにまで広がっている。このままだとシグマウイルスに汚染される日も、そう遠くはないかもしれない(笑)
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