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おーとまてぃっく☆シスターズ

ロックマンXのエックス受け中心ブログです。エックスが可愛くて可愛くてしょうがなくてこんなことにwwあまりの可愛さに、エックス=ぴめと呼ばれています。 お相手はゼロ様はもちろん、ダイナモやゲイトやVAVAさんや、もうごった煮状態w 撫子→音速のネタ出し隊長、光速の物忘れ将軍。 ミム→闇の世界で暗躍する外付けハードディスク。

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中編パート2です。詐欺師の夢、どうぞご覧あれ。

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「…それで、貴様らが来た時にはエックスはいなかったんだな?」
「ああ。きれいさっぱりや。」
 ハンターベースは騒ぎになっていた。演習中の第17部隊長が謎の失踪…彼の私室や持ち物、あらゆる検証がなされたが、結局何もわからずじまい。当然演習は中止となり、消えた隊長のゆくえを皆で話し合っていた。
「あの、ゼロ隊長…エックス隊長は…」
「自分らの責任です…俺たちがもっと早く通信の異常に気付いていたら、こんなことには…」
「君たち、そういう~だったら、という発言はやめた方がいい。もう事件は起こってしまっているんだ。悔やむ前に、解決の糸口を探しなよ。」
「…はい…」
 ゲイトの理論的な言葉に、隊員たちも黙りこむ。しかしそんなことを言った本人も落ち着いてはいないようで、ヒールのつま先をせわしなくコツコツいわせていた。
「・・・おい。」
「VAVA、どうかしたのか?」
 ここで第17部隊に復帰した、VAVAが何事か口にする。普段何も言わない彼だが、部屋の隅まで熱心に探していたその手には、あるものが握られていた。
「・・・これ。」
「これは…トランプ?」
 
 同時刻、テーマパーク・ファンシーランド。
 そこに、渦中のエックスはいた。傍らには満面の笑みの男、スパイダー。
「何から楽しみましょう?アナタは何がお好み?」
「・・・・・」
 エックスの表情は硬い。そうだろう、彼は任務の真っ最中に、この男に誘拐されたのだ。責任感の人一倍強い彼は、置いてきた隊員たちのことが気がかりで仕方なかった。
「そんな顔しないで。今日一日だけ、楽しみましょう?アナタ、いつもいつも任務のことしか頭にないって人でしょ?こういうことも大切ですよ。」
「…君には解らないよ。」
「ええ、そうでしょうね。解りません。それは否定しませんし隠しません。」
「・・・・・」
 あまりにスパッと言われ、エックスも返す言葉がない。こんな人物は、今まで見たことがなかった。どう対処したらよいやら、それすら解らなかった。
 再び口をつぐむエックスの腕を引っ張り、スパイダーはゲームセンターに入った。
「まず、Gameを楽しむことから始めます?これなんかどうでしょう。」
「・・・わぁ。」
 彼らはUFOキャッチャーの前に来た。それは特に、腕に抱えるほどの大きなぬいぐるみが景品になっているものだった。愛らしい瞳のくまのぬいぐるみに、元々こういう物が大好きなエックスの瞳が釘付けになる。
「愛らしいLadyに、俺からPresent.アレ、一発で取って見せましょう。」
「こんな大きなぬいぐるみを、あんな小さな機械で?無理だよ。」
「出来るかどうかは腕次第、うまくいったらご喝采。」
 コインを1枚入れ、スパイダーが機械を動かす。彼は事もなげにポンポンとボタンを押す、動かされた機械がゆっくり下降し、そして。
「わぁ!!」
 必要最低限の出力しかないアームが、見事にくまを抱えて投入口にまでやってくるのを、目を丸くしてエックスは見ていた。出てきたぬいぐるみを、背を屈めてスパイダーが取りだす。
「すごいすごい!どうして?」
「それはナイショ。でも、俺は約束は守りましたよ?どうぞ、Lady.」
「うん!」
 大きなぬいぐるみは、エックスの腕には余るほどだった。ふかふかの表面に頬ずりして微笑む天使に、詐欺師は次の夢を見せにかかる。
「次は、あちらのシューティングを・・・」
 
「トランプ、やて?」
 VAVAが差し出した物に、反応したのはダイナモだった。当然、周囲も注意を傾ける。
「何?何か知ってるの?」
「ちょっとな…昔の…いや、それはどうでもええ。」
「?」
 言いかけて、それは関係ないと判断したのかダイナモがやめる。しかし彼は、有益な情報を話し出した。
「前の買い出しの時にな、会うた男がおんねん。そいつ、エックスに興味持ったらしくて…最近ではハンターベースによう出入りしよったらしい。」
「その男というのは?どんな奴だ?」
 ゼロが問いかける。と、ゲイトが何か思い当たる節があったらしく、口を挟む。
「そいつって、まさか…」
「え?ああ、ゲイトは知っとるか。せや、あいつや。」
「・・・話、詳しく。」
「貴様らで勝手に納得されても困る。」
「あ、ごめん。説明はダイナモにお願いするよ。」
 口元を押さえたゲイトが、話のバトンをダイナモに渡す。VAVAとゼロにも解るように、ダイナモが話を進める。
「名前はスパイダー。カッコは目立つで、真昼間から燕尾服に帽子やから。紅い瞳に青い肩までのぱっつん髪で…」
「・・・それ・・・」
「知ってる…ような気がする。」
「やっぱり…」
 彼の説明がすべて終わる前に、3人が3人ともある人物を思い浮かべていた。
『絶対、あいつだ!!』
 
 その頃、エックスはスパイダーと共に、テーマパークを楽しんでいた。腕には大きなくまを抱えて。
 あの後も、人を楽しませる術を豊富に心得ているスパイダーは、エックスに様々な夢を見させていた。ゲームセンターを出て、ホラーハウスやコーヒーカップ、今は絶叫マシーンに。
 エックスも結局、「彼と1日すごさなければ自分は帰れない」という状況を理解したらしかった。加えて詐欺師の見事な手腕。純粋で経験値の低い彼には、過ぎるほどの刺激だった。
「楽しかった?」
「うん!ていうか、その帽子どうして飛んでいっちゃわなかったの?」
「それもSecret.ヒミツです。」
「秘密ばっかりだね。」
「それが俺の魅力ですから。」
 唇に人差し指を当てて見せたスパイダーに、首を傾げながらエックス。
 そんな彼の腕を取り、詐欺師は次の夢に誘う。
「アレ、乗りましょう。観覧車。」
 
「なるほど…道理であいつ、エックスの話をしてたわけだよ。やっぱりバラした方がよかったみたいだね…」
「あの節穴野郎が、エックスを…」
「・・・殺す・・・」
 あの後、ダイナモの説明を聞いた3人は殺気立っていた。どんな形であれ、それぞれに会ったことのある男…スパイダー。彼らにとっても、奴は不快な記憶をもたらした忘れられない存在だった。
「…で、とりあえず犯人の目星はついたけど…」
 ダイナモが、当初の問題提起に戻る。
「どこにおるんや?あいつら。」
 
「わぁ、高い高い~~、どんどん地面が離れていくね!」
「クス。」
 観覧車の窓から外を見降ろすエックスの、子供のような反応にスパイダーは微笑を浮かべた。彼にとっては珍しくも新鮮でもない、ただのデートコースの一環。けれどこの天使にとってみるとこれは…日常からかけ離れた、平和という名の幸せだった。
「スパイダー、ほら見てよ!」
「…それより、Lady…いえ、エックス。」
「何?改まって。」
「2人きりですね。」
「…え…」
 ―――それまで楽しくて気づかなかったことが、改めて言葉にされて実感される。
「アナタはご存じないでしょうけどね、エックス。
 デートで観覧車に乗ろうって言われたら、それは2人きりになろうっていうお誘いなんですよ。」
「そん、な…俺、そんなつもりは」
「なかったでしょうね。アナタ、見たところこういう経験がほとんどないようだし。」
「・・・・・」
 脚を組んで、スパイダーはそのルビーで少年のエメラルドを射抜く。返事に詰まる彼、そんな状況から選ばれる言葉。
「いいんです。俺は焦るつもりはない。ただ…アナタとのこんな思い出が欲しくて。」
「俺と?」
「Yes.アナタのその、いつも任務しか見ていない瞳に、たった1日だけでもいい、楽しい思い出と、俺の姿を…映したくて。」
「よくわからないよ…そのために、演習中の俺を?」
「Yes.」
「会ってまだ間もないのに?」
「Yes.」
「俺も君も、お互いのこと何も知らないのに?」
「Yes.」
 緩やかに微笑んで返すスパイダー。戸惑う姫君を映すルビー、妖しく輝いて…ことばのまほうをかける。
「ま、これからゆっくりと解ってくれれば。言ったでしょう?俺は焦るつもりはない。ただ、俺と見たこの景色を…どうぞ忘れないで。」
「・・・スパイダー・・・」
 
『う~~~ん・・・』
 青い天使の親衛隊たちは(第17部隊員も含め)、その行方の手掛かりを考えていた。現場に残されていたカードからは、行方までは図れない。
「なあゼロ、アンタらつきあい長いやろ。あいつが好きなとことか思いつかんの?」
「ない…残念だが。」
「・・・役立たず・・・」
「何だとVAVA。」
「ちょ、今は味方同士やろ。そんな余計な喧嘩せんといて。」
 焦りからか、怒りが余計なところにまで飛び火しそうになるのをダイナモがたしなめる。
 と。
「!!ちょっと、君たち!」
「どうした?ゲイト。」
 先ほどから話の輪から離れ、自室から持ってきたらしい小さなCOMをいじっていたゲイトが大声を上げた。
「エックスの行方…わかったかも。」
『何だって?!』
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HN:
撫子&ミム
性別:
非公開
職業:
腐女子
趣味:
妄想
自己紹介:
当時からのロックマンX燃えが萌えにまで高まってしまったかわいそうなお友達。最初はゼロ、ダイナモだけだったちゃんこの具が、ゲイトやVAVAにまで広がっている。このままだとシグマウイルスに汚染される日も、そう遠くはないかもしれない(笑)
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