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おーとまてぃっく☆シスターズ

ロックマンXのエックス受け中心ブログです。エックスが可愛くて可愛くてしょうがなくてこんなことにwwあまりの可愛さに、エックス=ぴめと呼ばれています。 お相手はゼロ様はもちろん、ダイナモやゲイトやVAVAさんや、もうごった煮状態w 撫子→音速のネタ出し隊長、光速の物忘れ将軍。 ミム→闇の世界で暗躍する外付けハードディスク。

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三つ目はゲイト様。このゲイト様は、今まで私が書いてきた彼とは少し違います。この話に出てくる彼も、彼の一面ととらえていただければ幸いです。ゲイト様がX6の後助けられて仲間になってる設定です。

百花繚乱、三の舞は、科学者の氷に触れた少年の…

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 エックスは、普段は通ることのない通路を歩いていた。その道は、進行方向に向けてなんとなく暗くなっていて、人気もない。ひんやりした空気が漂う場所だった。
 彼は、ある扉の前で立ち止まった。ここは、ハンターベースの中でも特に「研究棟」と呼ばれる特別な場所である。
「ゲイト、いる?」
 スライドのドアを開け、呼びかける。その名は、すっかりこの部屋の主になった人物―――氷の科学者のものだった。
「ゲイト?・・・」
 いないのかな?思って、室内をきょろきょろ見回してもう一度呼ぶ。だだっ広い部屋の中…ふと、モニターの灯りがついているところがあった。そこにいる人影に向かって、エックスは近づいていく。
「ゲイト、いるなら返事してくれたっていいじゃないか。」
「誰?…ああ、エックス。」
「・・・・・」
 やっとゲイトは、エックスの存在に気づいたらしい。しかし所詮そこまで、彼はさしたる驚きも何もなく、エックスの方を振り向きもせずにパソコンをいじっている。
 エックスは、ひとつ溜息をついた。
(本当にゲイト、別人みたいだ。みんなの言ってた通りだな…)
 彼がここに来たのには理由があった。ゲイトを、あることに誘うため…他の誰が誘いかけても、彼は話すら聞こうとしなかった。そこで、彼がご執心であるエックスから、ということになったのである。
「ねぇ、ゲイト。」
「何?」
「あのね…お花見に行かない?」
 意を決して、エックスは切り出した。
「ハンターベースの近くにね、すっごく広くて桜がきれいな公園があるんだ。それでね、みんなで毎年行ってるの。とっても楽しいよ。ちょっぴりだけならお酒もいいし、それに、お弁当は俺も手伝って作るんだ。」
 とても一生懸命に伝えようとしてくる、天使のエメラルド。愛らしい微笑みと共に、大事なハンターベースの仲間に語りかける。
 しかし。
「・・・それは、義務?絶対参加?」
「え、違うよ。もし忙しかったり」
「じゃ、僕はその忙しいだから。行かない。」
「あの、ゲイト」
「何?」
 その努力は、すげなくかわされて実ることはなかった。こういうときのゲイトは、いつもの彼ではない…そう、いつもなら愛しいエックスのことを変態ストーカーチックに追いかけ回し、殴られようが何だろうがスッポンのごとく食らいつく彼だというのに。
 言葉に詰まるエックスに、ゲイトから最後の言葉が告げられる。
「用はそれだけ?じゃ、出ていって。僕の邪魔をしないで。」
「あの・・・」
 ―――とりつく島もなかった。ゲイトは、その濃紫のアイに、一度として彼の天使を映すことはなかった。無機質な室内に、無機質なキーの音だけが反響する。結局エックスは、この室内に居場所を見つけることはできなかった。
「あの、ゲイト、それじゃ俺…帰る。邪魔してごめんね。」
 少年は、彼にそれだけ言うのが精一杯だった。
 
「ただいまー。」
「おかえりエックス。ゲイトどうやった?」
「うん、何かもう本当に別人みたいだった。それで…」
「ええわ、解ってる。一緒に連れて来んかっただけで解るから。」
「ごめん、せっかくなのに…」
 肩を落としたエックスに、笑顔で話しかけているのはダイナモだ。彼もゲイトも、ハンターベースの新入り。それもあったのか、彼はゲイトをなんとか誘い出そうと最後までがんばっていたのである。エックスに頼んだのも彼だ。
「ええやん、あいつも忙しいんやろ。」と、彼はエックスの肩をぽんとたたく。そんな彼らを、すっかり行楽気分の面々が迎えにやってくる。
「エックス~、いいかげん出発しようぜ~?日が暮れるよ。」
「あのね、ゲイトが」
「ほっとけよ、あいつつきあいもともと悪いじゃん。」
「・・・・・」
 その言葉は、優しいエックスの思考回路にずきん、ときた。
 確かに彼―――ゲイトは、人付き合いがよろしくない。有り体に言えば、悪い。興味のないことにはまるきり関心がないタイプで、しかも気難しいときていた。先の反乱の首謀者でありながらエックスに救われ、今はその頭脳を見込まれ個室まで与えられている、彼。
 そんなこんながあいまって、彼を嫌う者は、実は少なくない。今言葉を発した同僚も、おそらくそうなのだろう。
(でも、そんなの寂しいよ…同じ仲間なのに…)
「エックス、何してんだよ!置いてくぞ!」
「あ、ごめん!今行く!」
 心中複雑な思いを抱いたまま、エックスは彼を呼ぶ声に応えた。
 
「・・・ふう。」
 ずっと続いていたキーボードの音が、小さなため息と共にやっと止んだ。
 ゲイトはパソコンをスリープモードに変え、暗くなった画面を見た。そこに、ずっと彼に仕えている忠実な従者が、見計らったかのように現れて声をかけた。
「お疲れさまです、ゲイト様。何か飲むものでもお持ちしましょうか?」
「うん…そうだな…僕は少し休むから、寝室に紅茶を。」
「心得ました。」
「、ハイマックス。」
「は。」
 ―――何故だか、いつもなら気にも留めない彼を引きとめてしまった。きちんとこちらに向き直って返事をしてくる彼に、自分の顔を手で覆って溜め息をつき、ゲイトは言った。
「何でもない。行っていい。」
「解りました。それでは。」
 この部屋の住人の片割れの足音が遠くなる。それが完全に聞こえなくなってから、ゲイトは手を降ろし、モニターの中の自分を見つめた。その表情は、なんとなく曇っているような気が…した。
「さっき…悪いことしたかな。」
 ぽつり呟く。
「あんな断り方、しなくてもよかったかな…」
 口にしてからまた溜め息をついて、モニターに映る自分の優しくない瞳を見た。
 ―――昔からこうなのだ。自分は、こうして他人を不快にさせるしかできない。たとえその相手が、先ほどのように愛しい子であっても。いつも、本当は後悔している。でも、それを伝える術を知らぬのだ。
 それに・・・
「僕には…遠いんだよ…」
 呟いて立ち上がる。何かを思い出すようなその言葉に、瞳を伏せて次の句を繋いだ。
「お花見みたいな、皆が集まる、あたたかい場所…
 そんな場所、当に失くしてしまった。僕は…
 僕には、君のいる優しい場所はあまりに遠すぎる。エックス…」
 彼の、本当のことば。それは無機質なラボに吸いこまれ、すぐ消えていった。
 
「桜きれいだな~。」
「花見酒ってやつ、サイコーだよな!」
 こちら、ハンターベース御一行様。新入りの年中行事のひとつである「早朝のお花見の場所取り」の成果…広いブルーシートのスペースの上で、隊員たちは思い思いに楽しんでいた。
「お酒はちょっとだけだよ?それに、あんまり大きな声は出さないでね?」
「んだよエックス~カタイこと言うなよ~。」
「まったく、もう…」
 すっかりおかんと化しているエックス。注意をしながらも彼は、いつもの優しい微笑を浮かべている。彼はいつも酒は飲まず、代わりにお菓子をつまみながらこの行事を楽しむのだった。
 皆を見ていたエックスだが、ふとその表情が曇る。
(ゲイト…来ればよかったのに)
 優しい彼の思考は、どうしてもそこに辿り着いてしまっていた。確かに忙しそうではあったから、もしかしたら本当に時間がなかったのかもしれない。けれど、あんな寒くて暗いラボに籠りきりなんて…
(ゲイトは桜、嫌いなのかな?きれいなものは好きなんじゃないかな?
 …あ、そうだ!)
 何事か思いついたらしいエックスは、ひとりそっとその場を抜け出した。
 
「・・んん・・・」
 束の間の浅い眠りから、ゲイトは目覚めた。どんなに忙しい時であったとしても、このボディのタイマー機能は狂ったことはない。
 仮眠をとるため着ていた簡易な部屋着を脱ぎ捨てると、いつもの服に白衣を羽織る。軽く頭を振って残っていた眠気を飛ばし、ラボへと向かった。
「どこまで進めたっけ…」
 歩く途中もあれこれ考えながら、デスクへ向かう。
 そこに辿り着いたところで、彼は気づいた。
「あれ・・・?」
 暗く無機質なラボ。その中で瑞々しく、生命の息吹を感じさせるような薄紅…
「これは…桜?桜の枝?」
 彼が言ったとおり、それは桜の枝だった。40センチほどの長さのそれに、今が盛りを示すような可憐な花がたくさん咲いている。適当に折られたのではないのだろうことは、その枝には開いた花もこれからの蕾もついていることから知れる。つまり、今見てもこれから開く蕾を見ても楽しめるようになっているのだ。
「こんなこと、誰が?この僕になんて…」
「ゲイト様、何をお持ちに?」
「桜だ。僕が今ここに来たらあった。―――お前が?」
「いえ、自分は存じませんが…」
「そうか…」
 やってきたハイマックスに、もしやと思って問いかけてみる。しかし、彼は知らないと答えた。
 ―――ううん、ほんとうはね、わかってるんだ。
    誰が持ってきてくれたか、とか、そういうこと。
「桜はきれいですが、はなびらが散りますね。散る前に、向こうに持っていきましょうか?」
「―――いや、いい。僕は、これが気に入った。ここに置いておく。」
「そうですか。なら、細い一輪差しの花瓶をお持ちしましょう。」
「お前にしては気が利いているな。そうしてくれ。」
「は。」
 自らの提案を受け、ハイマックスは花瓶を取りに行くため主に背を向けた。
 ―――ゲイトの最高傑作にして、忠実な下僕のハイマックス。そんな彼は、自らの主の、めったに見せない美しい表情を見逃さなかった。
(ゲイト様…自分は貴方に、ずっとその表情をしていて欲しい…だから、あの桜を持ってきてくれた人物に、少しだけ感謝しよう)
 
 ハイマックスの足音が消えるのを、先ほどとは違った心境でゲイトは聞いていた。
 その腕の中には、可憐な桜がある。
 彼は―――優しく微笑んでいた。微笑んで、桜を愛おしげに抱いていた。
「ありがとう…」
 心からの言葉が零れる。
「ありがとう、エックス…本当に…」
 きれいに微笑んだ彼は、枝の先端の、小さな薄紅にそっとくちづけた・・・
 
 
 
 
 こんかいのぼやき
・ポメラさん、ちょっとお遊びにもほどがありましてよ!本当にね!!!しょうがないから書きなおしたじゃない!!(ツンデレ)
 最後の場面に向かって明るく優しい話に向かっていくよう心がけたけど、それが伝わったらとりあえずいいかな?最後のゲイト様の表情を自分的に妄想すると、鼻血吹きそうなくらい萌えるわけで。(キリッ)
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HN:
撫子&ミム
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非公開
職業:
腐女子
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妄想
自己紹介:
当時からのロックマンX燃えが萌えにまで高まってしまったかわいそうなお友達。最初はゼロ、ダイナモだけだったちゃんこの具が、ゲイトやVAVAにまで広がっている。このままだとシグマウイルスに汚染される日も、そう遠くはないかもしれない(笑)
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