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おーとまてぃっく☆シスターズ

ロックマンXのエックス受け中心ブログです。エックスが可愛くて可愛くてしょうがなくてこんなことにwwあまりの可愛さに、エックス=ぴめと呼ばれています。 お相手はゼロ様はもちろん、ダイナモやゲイトやVAVAさんや、もうごった煮状態w 撫子→音速のネタ出し隊長、光速の物忘れ将軍。 ミム→闇の世界で暗躍する外付けハードディスク。

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百花繚乱、外伝まであります(笑)お相手は、うちの捏造設定蜘蛛さん。彼の捏造設定は以前のUP品に載せていますので、そちらをご覧ください。(コマミ設定は加味していないので、タイトルでは伏せています)

最終章を飾るは、詐欺師の粋な計らい。それでは、どうぞ。
 

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「Hy!Lady!How are you?」
 ご機嫌な男の声が、ハンターベースの廊下をにぎわす。そいつは英語混じりの妙な口調で話し、更にその笑顔は心惑わす色男のそれ。
「スパイダー、何しにきたの?」
 しかし、呼ばれたLady―――エックスの反応は冷たかった。優しい彼にしては珍しいことだが。
 よく見ると、彼は大量の書類を運んでいるところだった。小さなボディに見合わないほどの大荷物は不安定にぐらぐらと揺れており、はみ出した紙が今にもどこかに飛んでいってしまいそう。とどのつまり、彼は今、忙しかったのである。非常に。
「せっかく久しぶりにこうして逢いに来たのに、つれないですね。最近カルシウムとってます?」
「最近はずっと忙しいんだよ。新年度は何かとね。」
「Hu-mum.やっぱり、こういう組織に属していると、何かと面倒なんですね。自分はFreeでよかったですよ。」
 早足で進むエックスに、調子よく話しながらスパイダーはついていく。けれど多忙な天使には、そんな詐欺師の言うことなど聞いている暇はなかった。
「ねぇ、俺忙しいんだけど。悪いけど、君の話を聞いてあげる暇は」
「それ重そうですね。俺が持って差し上げましょう。
 だったら、一緒にいてもいいですよね?少なくとも、アナタが向かおうとしている場所までは。」
「え、ちょっと…」
 LadyのHeartが離れそうになるところに、間髪入れぬ詐欺師の戯言。返事も聞かず、彼はエックスが重そうに抱えていた書類をぱっと取り上げてしまった。そして、勝手に進行方向に歩き出す。それを、エックスは逆に追いかける形になってしまった。         
 こうなってしまえば、青い天使は詐欺師と一緒に歩くことを了承せざるを得ない。
「スパイダー、ちょっと、いいからそんなの」
「Ladyの荷物を持つのは、紳士のたしなみですよ。それに、俺はアナタより力もありますからね。効率的にいきましょ。Cleverにね。」
「・・・・・」
 エックスは、ため息をつきながらついていくしかなかった。この男といると、いつもこうしてペースを崩されてしまう…そんなことを思いながら。
「Fun,fun♪」
 それに、この男はどうこう言って、この状況を楽しんでいるようだ。自分も荷物が重かったところだし、まぁいいか…そう判断し、それ以上文句は言わなかった。
 ついていきながら、エックスはスパイダーに問いかけた。
「ところで、今日は何の用で来たの?」
「もちろん愛らしいアナタの顔を見るため…でもありますけど。今日は、ちょっとお誘いをね。」
「お誘い?」
「そう。」
 エックスがあんなに苦労して運んでいた書類を悠々と持ち運びながら、スパイダーは視線だけよこしてこう持ち出した。
「お花見にね、行きませんか?」
「お花見に?」
「そう。―――もちろん、アナタと俺のふたりだけでね。騒がしいことや煩わしいことから解放されて、俺と二人でひとときのアバンチュールを楽しみませんか?」
 この時、スパイダーの頭には、それはそれは嬉しそうに微笑み、ぜひ行きたいと答えるエックスの姿しかなかった。
 だから、彼の返答に、一瞬応答が遅れた。
「せっかくだけど、俺忙しいから。行けない。」
「―――え?」
 心躍る春のイベントであるお花見…この子がそれを嫌いだとは思えなかった。それに、以前彼は植物の類が好きだと聞いた覚えもある。その辺りのリサーチも完璧な、デートプランだと思っていたのに。
「どうして?花は今が盛り、そして散るのも早い。ちょうど見ごろなんですよ。チャンスを逃したら」
「それはそうだけど。ほら、今だって君にそうして荷物を持ってもらってるじゃない。春は確かに俺好きだけど、同時に忙しい時期でもあるんだよ。」
「Ah,別に一日なんて言いませんよ。ほんの少しでもいいですから」
「俺が抜けちゃうと、それだけ他の誰かが忙しくなっちゃうんだ。みんなの仕事だもの、誰かに押し付けるなんてできないよ。」
「エックス・・・」
 スパイダーの言葉を遮るように、エックスがある扉の前で立ち止まる。危うくスパイダーは書類の山を落っことしそうになる、その彼の腕からさっとエックスは紙の束を受け取り、言った。
「ここまでありがとう。それに、お花見のことも。でも俺、本当に今忙しいから。ごめんね。」
「!エック・・・」
 やんわり、しかしきっぱり、エックスはお誘いを断った。そして傍らのドアを開けると、さっさと中に入ってしまった。スパイダーの伸ばした腕は、シュッ!と閉まったドアの向こうに届くことはなかった。
「Failed…か。完璧に断られましたね。」
 浅く溜め息をつく。しかし、詐欺師というのは諦めも肝心だった。獲物を逃がした以上、ここにいる意味はない。
「日が悪かったかな…またの機会に、としましょう。」
 ひとり呟くと、彼はさっさと元来た道を戻り始めた。
 
「しかしねー…このMissonがFailedなんて思いませんでしたよ。」
 帰り道、自分の予想と違う結果にスパイダーはぶつぶつとこぼしていた。
「新年度は忙しい、ね…俺はああいう面倒な組織にいたことはなかったから、迂闊だったかも。」
 一見すると、エックスに断られたことを気に病んでいるようである。
 ―――しかし、詐欺師にとってそんなことはどうでもよかった。
 お誘いの成功失敗は常のこと。それより、彼にとってはそこから生み出される結果の方が重要だった。
 すなわち―――「エックスの好感度が下がってしまわないか」ということ。
「さっきのことで俺の株が下がったりしたら、それこそ…そう、ダイナモあたりにかっさらわれたりしたら腹立たしいですからね。」
 すべては、最終的に彼のHeartをGetするか否かにつながる布石にすぎないのだ。そのためにも、常に彼と接することができない自分としては、こうしたひとつひとつの出来事が肝心なのだった。
「さて、どうしましょう。とりあえずはご機嫌うかがいをする必要がありますね。女性ならCakeの類ですけど、それより…もっと、こう…」
 何かもっとインパクトのある、彼のHeartにズキュン☆と来る物はないか?
 そんなことを考えていたスパイダーの瞳に、ひらひらと舞う桜が飛び込んできた…
 
「はー、疲れたぁ…」
 エックスは、今日の仕事を終えて自室に帰ってきた。重い足をひきずり、ベッドにダイブする。柔らかいマットが沈み、うつぶせに倒れた彼の体重を支えた。
 しばらくそうしていたのだが、やがてごろりと体勢を入れ替え、エックスは天井を見た。
「あと一週間くらいはこんなかな…新しいリストにシフト表もあるし…次の休みはいつかな…」
 本当なら、今日が彼の休みの日のはずだった。それが、思ったより雑務が多く、更に退職者も例年より多くて、不慣れな者ばかりになってしまっていた。そこで、既存のメンバーだけでしばらくはシフトを回していくように急きょ変更となってしまった。実際、明日の予定もよく解っていない。
 そんな圧迫された現実…エックスは、ふと思った。
「お花見かぁ…行きたかったなぁ…」
 昼間訪ねてきた彼のお誘い。本当は…行きたかった。別に彼と、というわけではないが…桜を見てゆっくりできる時間が、本当は欲しかった。
 でも…今自分が抜けるわけにいかないという使命感が、エックスにあの断りの言葉を選ばせた。
「俺、本当は…」
 エックスが何事か呟こうとした時。
「エックス隊長、いますか?」
「、誰?何?」
 彼を呼ぶ声がした。上半身だけ起き上がり、その声に返事をする。
「贈り物です。さっき、受付に届いたって。ドアのところに置いておきますから。」
「?うん、解った。ありがとう。」
 贈り物だって?自分に?一体誰が…
 訝しげな表情をしたエックスは立ち上がるとドアを開け、そこに置かれていたギフトボックスを取ると室内に戻った。
「送り人の名前もないな…それに、やけに軽いし。こんなに大きいのに。」
 その箱は彼が言った通り大きく、両手に抱えるほどのものだ。しかし、重さはほとんどないと言ってよかった。振ってみたが音もしない。何が入っているのか、見当もつかなかった。
「とりあえず開けてみようかな?」
 ベッドに箱を置き、大きなリボンをほどく。そして、ふたを開けた。
 そこには。
「―――!!」
 まず、それが何なのか、最初解らなかった。解ったのはそれが、ふわふわした薄紅色だということ。
 よく見ると、それは小さな花の形に分かれていることに気付いた。エックスはそれを一握り取り、手のひらの上で広げてみた。
「これ、桜だ…桜の花だ。」
 そう。大きなギフトボックスの中は、小さな桜の花で埋め尽くされていた。優しい香りがぷぅんと室内に漂う。元々こういうものが大好きなエックスの瞳が輝く。
「すごいすごい!こんないっぱいの桜の花なんて、どうして?もらっていいのかな?」
 まるで子供の様に、無邪気に天使は歓声を上げる。柔らかな薄紅を両手ですくい、ぱっと頭上に投げ上げる。それがひらひらと美しく自分を包み込むのに、また彼は微笑んだ。
「お昼桜を見に行けなかったけど、なんだかそれより嬉しいかも。一体誰が…
 そうだ、これ一体誰が?」
 はた、と気づく。送り主のないプレゼント、その主の正体を、自分はまだ知らない。
「何か入ってないのかな?メッセージとか。」
 がさごそと、箱の中を探してみる。本当に桜の花だけでいっぱいにされた箱の中、ちょうどその真ん中の辺りに、彼は小さなカードを見つけた。
「えっと…なになに?…これ、何て読むのかな?英語…だよね。俺は英語読めないんだけど…」
 残念ながら、そのメッセージは彼の言語認識できる言葉で書かれていなかった。雰囲気だけで、何となく英語らしいということは解るが、それ以上は…
(英語?英語を俺に使ってくるっていったら…)
 まさか…
 ―――エックスの頭の中で、ひとりの人物の名前が浮かぶ。そうだ、彼ならこんなことをしそうじゃないか?こんな素敵な、すかした、けれどやっぱり、素敵なこと…
「…全く、もう。本当に。」
 読めないカードを見つめたまま、エックスが微笑む。
「…そうだ、今度彼に会ったら、このカードに書いてあることを聞いてみようかな。それも、彼にもらったなんて、気づかないふりとかして。」
 それは、愛らしくてちょっぴり悪戯な天使の企み。きっと、彼は自分が贈ったのだなどと言わず、素知らぬ顔でこれを読んでくれるだろう。そしてそんな彼の隣で、自分もやっぱり彼が贈ったということを尋ねずに、何も知らない顔をしてその言葉を聞くのだろう。
「…素直じゃないよね。けど…そんなのもいいな。今まで俺の知らなかったことだから。何だか不思議なかんじがする…ふふっ。」
 不思議なかんじがするけれど…それは嫌じゃない。
 エックスは、桜が詰まったギフトボックスの真ん中に、そのメッセージカードをそっとしまった。
 
 ―――Take it easy,Lady.
    ・・・With my love.
                From.S
 
 
 
 
 こんかいのぼやき
・本当に思っていたエンディングにしようとすると、異様にこれだけが長くなることに気づいたので縮小(笑)本当はスパイダーが出てきて、しれっといろいろ言ってくれる予定だったのだよ。けど、ここであえて姿を現さないのも詐欺師の一面。インパクトだけを強調して、余計にぴめのハートに残るような、ね
 
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撫子&ミム
性別:
非公開
職業:
腐女子
趣味:
妄想
自己紹介:
当時からのロックマンX燃えが萌えにまで高まってしまったかわいそうなお友達。最初はゼロ、ダイナモだけだったちゃんこの具が、ゲイトやVAVAにまで広がっている。このままだとシグマウイルスに汚染される日も、そう遠くはないかもしれない(笑)
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