おーとまてぃっく☆シスターズ
ロックマンXのエックス受け中心ブログです。エックスが可愛くて可愛くてしょうがなくてこんなことにwwあまりの可愛さに、エックス=ぴめと呼ばれています。 お相手はゼロ様はもちろん、ダイナモやゲイトやVAVAさんや、もうごった煮状態w 撫子→音速のネタ出し隊長、光速の物忘れ将軍。 ミム→闇の世界で暗躍する外付けハードディスク。

お次はばばさんをば。
ばばさんは、自分の中では超しゃべらない人という設定があります。ゼロ様のように寡黙というのではなく、目で訴えかけるみたいな。…とミムたんに言ったら、「小動物みたい」と言われましたwww
VAVAがその部屋に入ったとき、パーティーはもう始まっていた。
「ホントありがとう~~!!感謝するよ!」
「じゃあ、今日はアタシの言うこときいてよね?」
「まぁまぁ、このシャンパンでも一杯。な?」
よく見れば、このパーティーは男女の優劣が決まっているようだった。どこのグループを見ても、どうやら男が下で女が上の立場のよう。
それもそのはずだ。これはただのパーティーではない。今日が何月何日何の日か・・・考えればすぐに解っただろう。
今日は3月14日、ホワイトデー。男性が女性に、一月前のおかえしをする日である。本来なら個々におかえしをするべきなのだろうが…義理チョコ友チョコ諸々にいちいち3倍返しをしていては、男性陣の身がもたない。
よって、ハンターベースの全部隊合同で、毎年このような「バレンタインありがとうパーティー」が催されるのである。もちろん、費用は男性持ち、女性はタダとなっている。タダと聞いて行かないのは女がすたるというもの。女性たちはあれやこれやと食べ物飲み物を物色しては、ここぞとばかりに男性をコキ使っている。いつの時代も女は強し…である。
(くだらん・・・)
VAVAの心理である。彼はもともと、色恋沙汰など興味はない。女にも関心がない。することはするが、所詮そこまでのものだ。彼には、ここに集まっている輩の心理が解らなかった。
(帰ればいい・・・)
そこまでは思った。だが。
彼の足は、出口へ向かわなかった。
何を考えて?―――それは表情を隠すヘルメットに隠され、誰にも解らない。
VAVAはただ黙って、壁にもたれて喧噪を見ていた。
VAVAが部屋に入ってしばらく経った。室内は相変わらず、女性優位のお祭り騒ぎである。人の入れ替わりも激しく、行き交うご機嫌な人々をただ黙って彼は見ていた。
「・・・・・」
元々あまり気が長い方ではない彼は、だんだんイライラしてきていた。好きでもないこんな場所にいるだけでカンにさわるというのに、長居しているとあっては…
(帰ってやろうか?)
ついに我慢も限界にきた彼がその場を去ろうとした時。
「お!一ヶ月前のヒロイン登場じゃ~ん!エックス、こっちだこっち~!」
「遅くなりました、すみませ~ん!」
「!」
それまで何の興味も反応も示さなかったVAVAが、その声にぴくりと反応し、たった今入ってきた、エックスと呼ばれた少年を見た。少年は、たぶん生真面目なのだろう、自分を呼んだ先輩に詫びながらそちらに走っていく。そんな彼を、先輩である第17部隊の面々が囲んだ。
「遅いぞ~、今日の主役はお前だろ?」
「主役だなんて、そんな」
「あんなでっかくてうまいケーキ焼いてきたくせに、何遠慮してんだよ。」
「あの~~~」
「そんなにイジメんなよ、今日はおかえしパーティーなんだからさ、ヒロインにお礼しようぜ!」
「よっしゃ、それじゃ・・・」
元気のいいメンバーが音頭をとり、さっそく紙の皿を持ってきてあまいお菓子をいっぱいエックスに取り分け始める。
「お前甘いもの好きだろ?エックス。」
「あ、はい。大好きです。」
「遠慮すんなよ、何ならワインもいくか?」
「お前それはないだろ~~!!」
「あはは・・・」
今来たばかりだというのに、年上の先輩たちに囲まれているというのに、エックスは…笑っていた。屈託のない、邪気のない、汚れない笑顔。いつもの彼、遠くから見ている彼…
(別にあいつを見ているわけじゃない)
なんとなく、さっきとは違う理由でVAVAは苛ついた。けれどその視線はそらさず…同じ部隊の連中に囲まれたエックスを見つめたままそらさず、そこに立っていた。
VAVAは、ずっとエックスを見ていた。
彼の視線の向こうの少年は、普段から愛されているその性格のまま、先輩たちからありとあらゆるお菓子やジュースの類をすすめられては断らずにそれらを口にしていた。いくら何でも食べ過ぎだろう…そんなことを思ったVAVAだが、別段何か行動を起こすわけではなかった。
(どうせあいつも好きでやってるんだしな)
…やがて、やっとエックスは解放されたらしい。部隊の連中も大方その場を去り、皿に盛られていたお菓子やケーキをやっと食べ終えた少年は、ふうう…と大きく溜息をついていた。かわいらしいおなかが、ちょっとばかりふくらんでいるのが見て取れる。
それでも、エックスは愛らしい微笑みを浮かべていた。いつもの彼と、同じ…
(やせ我慢にもほどがある)
やはりちょっと、VAVAは苛ついていた。嫌ならはっきり言えばいいのに。でもきっと、あいつは喜んでいるのだろう。
喜んでいる・・・
自分でない、他の奴らのくれたもので。
「・・・・・」
それまで置物の様に動かなかったVAVAが、ゆっくりとそこを離れ、エックスの元へと歩き出す。それに気づいた少年は、やはりにっこりと彼にいつもの微笑みを向けてきた。
「VAVA。君も来てたの?」
「・・・・・」
「こんなにいっぱいお菓子があると、何だかワクワクするね。っていっても、俺はもうおなかいっぱいなんだけど…」
(知っている)
―――お前をずっと、見ていたから。
(何だそれは。俺はエックスなど)
―――でもずっと、見ていたから。
「?どうしたの?VAVA。」
愛らしい瞳でVAVAを見つめるエックスは、VAVAの内でそのような葛藤がなされているなどと、気づくはずもない。VAVA自身も、このよく解らない思考を止める方法を知らなかった。
そんな彼に、小首を傾げたエックスがまた言葉を発する。
「もしかして、VAVA今来たばかり?おなかすいてる?」
「・・・・・」
―――ずっとそこにいた。ずっとお前を…見ていた。
まだ葛藤に悩まされるVAVAの目の前、エックスはにっこりと笑ってテーブルに手を伸ばし、一枚のクッキーをつまみ上げた。プレーンクッキーの上にピンクのデコレーションがされた、可愛らしいハート型の一枚を。
「はい、どうぞ。」
「・・・?」
「VAVA甘いものあんまり好きそうじゃないから、クッキーならいいかなって。
だから、どうぞ。」
「・・・・・」
―――その、行為が・・・
その、いつも見ているはずの純真な笑顔が、一瞬でVAVAの葛藤を止めた。
―――今彼は、自分を見ている。他の奴らじゃない、他でもないこの俺を見ている…
「…やっぱり、VAVAはこういうの、嫌い?ごめん、勝手なことして。」
喋らない自分に、少し不安になったのだろう。笑顔がしぼみそうになる。
その笑顔が消えてしまう前に、VAVAはピンクのハートを受け取り
「わぷっ?!」
エックスの小さな口に、それを押し込んだ。
「は、はに?VAVA、はんはの?」
もごもごしているエックスに、VAVAは。
「・・・お前が食う方が、似合っている。」
「!」
それだけ言うと、さっさと踵を返し、ドアをくぐると部屋を後にした。
「・・・・・」
残されたエックスは、とりあえずクッキーを噛んで飲み込む。そのほのかにあまぁい風味を味わいながら、彼は思っていた。
(さっきのVAVAの声…ちょっと優しかった。それに…さっき…)
―――笑ってた…よ、ね?
見えないはずの彼の表情が、少しだけ見えたような気がした。
(こういうのも…いいな。VAVAのこと、少し解ったって思っても…いいよね?)
いつものそれとはちょっとだけ違う―――もっと優しい表情で、エックスは笑っていた。
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プロフィール
HN:
撫子&ミム
性別:
非公開
職業:
腐女子
趣味:
妄想
自己紹介:
当時からのロックマンX燃えが萌えにまで高まってしまったかわいそうなお友達。最初はゼロ、ダイナモだけだったちゃんこの具が、ゲイトやVAVAにまで広がっている。このままだとシグマウイルスに汚染される日も、そう遠くはないかもしれない(笑)


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